2019年9月14日(土)~15日(日)にかけて、「地域・学びあい・入門セミナー」を実施し、持続可能な地域づくりに取り組む、13団体・21名が、南は屋久島、北は山形と、全国各地から参加しました。(※地球環境基金助成事業)
セミナーでは、『持続可能な地域づくりのための「学びあい」ハンドブック~コーディネートとそのふりかえり』ハンドブックに掲載されているいくつかのワークショップを実施し、自分たちの活動を「持続可能な社会づくりを後押しする学びあいとなっているか」、という視点でふりかえりました。
セミナーの後半には、目指す地域の姿を確認したうえで、今後の活動を見据えたアクションプラン作りを行いました。
【1日目】 | |
1.オープニング | プログラムの流れ、趣旨説明 お互いを知る・関心を持ち、安心して参加し意見を出し合えるためのルールを考えます |
2.ワークショップ 豊かな社会にとって大切なこと | 多様な価値観がある中で、持続可能な社会づくりに参加していくことについて考えます |
3.ストーリーを使った振り返り | ストーリーを通じて持続可能な地域づくりのプロセスについて考えます |
4.セルフチェックシート | 自分たちの活動を持続可能な開発の視点でふりかえります |
5.今日の振り返り | どのような気づきや学び、意識の変化、疑問があったのか、個人でふりかえり、共有します |
6.交流会 | |
【2日目】 | |
7.アイスブレーキング | リラックスして、学びやすい場をつくります |
8. 社会関係図づくり | 自分たちがどんな組織や個人と、どのように関係しているかを見える化します |
9.アクションプランづくり | 目指す地域の姿を確認し、具体的なプランにすることでセミナー後の活動につなげます |
10. ふりかえり | 2日間の学びをふりかえります |
11. 今後の予定 | 事後報告、スケジュールについての説明 |
当日の様子
セミナー後のふりかえり
セミナー参加後、各地域に戻ってから、各団体でふりかえりを行いました。(※参加団体のふりかえりより抜粋)
▼IVYyouth (山形)
・多方面からの意見もそれぞれ正しい部分があり、自分の意見も見返せるきっかけになりました。また、今回IVYyouthとして参加しましたが、カンボジアに対して知らないことが多すぎると実感しました。
・育った環境・土地によっても価値観・考え方は大きく違うということが分かったのですが、それを支援対象者に置き換えて考えてみると、私たちはまだまだ知らないことが多いということに気づくことができました。
・社会関係図づくりなどを通して、私たちは非常に内向的だということが分かりました。特に国内の業務で、もっと他の団体さんや、自分たちのやりたいことについて知識がある方とつながって、より精度の高い活動をしていくべきではないかと感じました。
▼富山YMCA (富山)
・そもそも自分達が何のために地域活動を行っているのか、改めて自分達のミッションを見つめ直すことの大切さに気が付きました。その地域で求められていることと自分達のミッションの合致することを実施しなければ意味がありませんし、活動の持続性や広がりに欠けてしまうということを強く感じました。
▼マナラボ 環境と平和の学びデザイン (兵庫)
・具体的な問題解決や、具体的な課題を達成するためには、地域の方々を含めた複数人のチームで取り組むことで、地に足のついた活動になると改めて思いました。そのために必要であれば、セミナーで学んだプログラムやアクションプランづくりが役立ちそうです。関わるみんなで現状や未来像を共有して進めることは大切だと思います。
・私たちは先住民の異文化理解プログラムを扱いますが、そのなかで「ある獲物を獲った本人(とその親族)はその獲物の配分を受けない」(他者に配分する)という規則を持つ文化について紹介をしています。この民族の文化が、開発教育のこの文脈で捉えなおせたことが、新鮮でした。文化の出会い方について、新しい視点を頂けました。
▼池の駅プロジェクトさやま (大阪)
・活動を起こす時は、同じ志を持ったメンバーが集まるのだとは思いますが、活動を持続可能な取り組みにしていく上では、自分達の想いだけではダメで、ネットワークを築きながら、対話を深めていくことを意識していく必要があるのだと思います。
・ワークショップを通して、自分の中にある価値観や行動や認識の癖などに気が付くことができ、様々な角度や視点で考え行動していく感覚を体験できました。それらの体験を活かしながら、再度活動と向き合っていきたいと思いました。
▼ユギムラ牧場・NPO法人やまぼうし・八王子市民のがっこう 学び・つなぐ広場 (東京)
・グループの中で役割分担をどう行えばいいのかという点が難しいと思いました。誰がどういう役割を負うのか、それぞれの立ち位置がどこなのか、話し合う必要があると思いました。
・話しているうちに“日々の暮らしを振り返る場を作りたい”という思いから始めたことを思い出すことが出来ました。一緒に活動している人たちともその思いを共有できていないのではと気付きました。
▼あいあいねっと (広島)
・同じストーリーを聞いても真反対の意見が飛び交い、話を進めていくうちにお互いが納得しあう、このプロセスの大事さを学んだ。これこそが持続可能な地域づくりにつながっていくのだと思えた。
・自分の住んでいる地域で淡々と日々を過ごしていて、地域の自慢がパッと出てこなかったので、もっとよいところを探して、うまく伝えられるようにしないとと気がつくことができました。地域にもっと関心をもったほうが良いとおもいました。
▼かんちゃんの小さな家 (滋賀)
・分野以外の方々との出会いが新鮮で、それぞれ取り組んでおられる活動や直面している課題を聞くことができ、さまざまな活動分野の横断的なかかわりを感じることができた。
・自分の中で「持続可能な・・・」ということの意味がストンと落ちていなかったが、「だれ一人取り残さないこと」という『ハンドブック』の基本的な記述を読み返すなかで、少しではあるが・・・「なるほど」と思える点が得られた。この宣言と「現実」とのギャップが、活動の起点になるのかも・・・と感じることができた。
▼ヒメヒコ小郡 (福岡)
・組織図を描いてみて、ヒメヒコ小郡の人的ポテンシャルの高さに気づきました。そして、すでにかなりのネットワークを持っていること、メンバー全員のネットワークを網羅すると、面白い組織図が展開されると思いました。
・地元の方と連携していくときはじっくりと時間をかけてじわじわと変えていけたら良いと思いました。
▼四国国際理解教育研究会 (愛媛)
・具体的な数値を目標や計画に盛り込んだり、3年後5年後10年後を見通した長期的な計画を立てたり、具体的な指針を設定することで、メンバー間での共有がしやすく、活動をより円滑に進めていくことが可能だと気づきました。早速アクションプランシートを活用したいです。
▼みた農園 (岡山)
・多様なテーマ・課題で活動する団体の方と交流することで、ある地域を多面的で構造的なまなざしでとらえるような体験ができたと思う。
・それぞれの団体や地域にキーパーソンがいることを感じた。活動を継続していく上でのミッションの重要性も再確認できた。
▼屋久島サウスビレッジ (鹿児島)
・持続可能な社会作りには経済的に成立するかが前提と私は考えていて、地元で話すときは比較的共有されているのですが、今回のセミナー参加者(主に都市部の方)は経済性に触れることが少なく、土台の違いを感じました。
・問題は途中の軌道修正や補完策の実施などで、それは全員の責任だと思います。
▼屋久島 民宿すぎの子 (鹿児島)
(準備中)
現在の様子
団体でアクションプランシートを作成する一方、コーディネーターによるフォローアップを進めております。フォローアップでは団体とのやり取りを重ねながら、地域の活動の現状に応じて、継続的な情報共有や、地域訪問を予定しております。年間を通じたフォローアップを継続的に行い、5月に実践交流会を実施する予定です。
今後の各地域での活動や学びあいの様子は、地域からの声としてプラットフォームに掲載してきます。
今後のスケジュール
9月14日(土)―15日(日) | 「地域・学びあい・入門セミナー」~地域活動をふりかえり、学びあい、深め合う2日間〜 |
10月~1月末 | フォローアップの実施 |
10月1日(月) | ふりかえり(報告1)の提出 |
12月末 | アクションプラン(報告2)の提出 |
5月(予定) | 実践交流会(セミナー)の実施 |
お問い合わせは事務局・伊藤までお願いいたします。(yito@dear.or.jp)