2022年2月17日

学びあいフォーラム「座談会プロジェクト」について

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  • 学びレポート

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  • 学びあいフォーラム
  • 持続可能な社会

1   経緯と趣旨

開発教育協会(DEAR)が2015年度より行ってきた「持続可能な社会・地域づくりのための学びあいフォーラム」事業(通称「学びあいフォーラム」)[1]は、同フォーラムを進めてきたコーディネーターチームによって、2021年度以降は助成を受けない自主運営のかたちで継続されています。

その「学びあいフォーラム」の新たな取り組みとして生まれた中の1つがこの「座談会プロジェクト」であり、そこで行われるのが「座談会企画」です。

もともと「学びあいフォーラム」では持続可能な地域づくりのプロセスにおける「学びあい」[2]、「変化・変容」、そして「持続可能性」などの点に着目しながら、持続可能な地域づくりのための「学びあい」づくりや「コーディネート」、「ふりかえり」などをキーワードに地域実践をみてきました。

地域実践といっても、そこでいう「実践」を“きっちりしたカタチ”として整ったものと捉えるのではなく(そうした実践だけをみるのではなく)、試行錯誤のプロセスとして捉え、実践をみること、実践から学ぶこと、そして実践をつないでいくことが意識されていました。それは、コーディネーターチームや他の参加者が実践を語る「実践者」と出会うこと、そして実践者が語る「実践」に耳を傾けることを通して学び・学びあいを経験したプロセスでもあったといえます。

そのような「学びあいフォーラム」のこれまでの活動の流れやそこで蓄積されてきたものをそのままにしてはもったいない…。

そんな想いから、これまでの流れをふまえつつ、「これまで」と「これから」のプロセスで浮かび上がる「持続可能な社会・地域づくりのための学びあい」や開発教育を考えていくためのテーマやキーワード、実践における視点や問いなどについて、それらを聴き合う場、語り合う場を設けて深めること、そのために「地域の開発教育実践に関する座談会」をつくること、それらを趣旨としてできたのが座談会プロジェクトです。

2017年度時点での「学びあいフォーラム」全体像。2017年度報告書より抜粋

2   座談会企画

スタンスとカタチ

座談会企画では、前もってプログラムやアジェンダをつくり、それにそって議論を進めたりするのではなく、事前に出ているキーワードや、その時の話の流れで「(自分たちが)大切だと思う点や、“おもしろそう”だと感じる点にこだわって、議論していくこと」を掲げています。

また、(セミナーのスピーカーやシンポジウムのパネリストのように)「誰かに見せる・聞いてもらう」ためのトークやディスカッションではなく、あくまで座談会に参加した人たち同士が共に議論を深めるための語り合いをすることを想定しています。

当日の時間を語りのために使うために、基礎情報は事前に共有・確認しておき、本番ではゆるやかな大枠だけを設けて、興味・関心や必要性に応じて途中で論点をずらしたり、広げたりしつつ、「いい意味で行き当たりばったり」でフリートーク、フリーディスカッションを主に行います。大まかな進行役を便宜上は立てますが、明確なファシリテーターは設けず、参加者が語り合うその「流れに身を任せて」進められます。

また、ワークショップではルールづくりなどを通してお互いに配慮しながら発言をしたり耳を傾けたりする傾向が強いですが、座談会企画では遠慮せずに話すことやいい意味で批判的なコメントもしあうことを前提として共有します。事前に誰が何の話をするのか、また全体としてどんな流れになるのか分からない中でだからこそ、その場で論点を深めたり、新たな論点に気づき合ったりしながら、それを楽しもうという意図を共有しています。

一般的なセミナーよりも少し長く、各回だいたい3時間くらい行ってきましたが、毎回、はじまったときよりも終わるときの方が話したいポイントがたくさん出ていて、「引き続き、またぜひ…」といった言葉が交わされて終わります。

このようなスタンスとカタチを取りながら、これまでは開かれたイベントの形式ではなく「学びあいフォーラム」のコーディネーターチームのメンバーと地域実践の話題提供者とが集う座談会企画を定期的に組んで進めてきました。

座談会企画のその先のねらい

「学びあいフォーラム」で出てきたこれまでのキーワードなどについて語り合い深めていくというプロジェクトの趣旨に加え、座談会企画を通し、その先に次のようなことも合わせて浮かび上がらせていくことができたらいいなという意図があります。

●開発教育が具体的な地域・地域実践・実践者から学ぶこと/学ぶべきこと
●地域・地域実践における開発教育の意義や可能性
●今後の(地域の)開発教育実践の描き方とそのための理論・実践

(ただし、これらのことも随時検討したり更新したりしていければいいなと思っています。)

このように、座談会プロジェクトや同企画では、地域実践に関する実践者の眼や具体的な語りから開発教育について再考することも趣旨として、地域や地域実践からみる/における、開発教育の意義について、一方で問い直すべき開発教育の課題について、さらには、開発教育を描きなおす際に求められるであろうあり方についてなどを模索していければと考え、取り組みを行っています。

また、そうした座談会企画で出てきた様々な私たちの学びや浮かび上がってきた論点などについて可能な範囲で言語化し、可視化および共有していくことを試みていけたらいいなと話してきました。

3   地域実践者の話題提供とともに

座談会プロジェクトではさまざまなかたちの座談会企画が想定され、例えばテーマやキーワードを設けて参加者みんなでそのことについて語り合う「テーマ座談会」の案もでていますが、今年度はまずは地域でこれまで活動してきた実践者に話題提供者となってもらい座談会企画を行う「実践者座談会」を開催してきています。

話題提供者の語りから地域実践(の意義や魅力、課題など)を学びつつ、先ほどふれた趣旨やねらいと重なるかたちで、話題提供者自身が地域実践のプロセスをつむいでいる中で「開発教育に関わっていて意味があったと思えたこと」や「地域実践に携わったからこそ(改めて)思えたこと」なども含めてたずねています。

ただし、〈一方的〉に話題提供者がスピーカーとなって他の参加者が聞くだけになる、というかたちを避けていることはもちろんですが、参加者も質問をしたり発言をしたりする〈双方向〉というかたちで話題提供者と参加者として二つの側に分かれてしまうことにもしばられないように気を付けています。

むしろゲストできてもらった話題提供者も話題を提供したあとは語り合いのいち参加者となってもらい、参加者全員がお互いに1人の参加者として、話題提供者が出してくれた「話題」を素材としながら、〈みんなで〉話す・〈みんなで〉語り合うということを目指しています。それがこのプロジェクトや企画を「座談」(いっしょに形式ばらないで話し合うこと)会としていることに通じています。

※実際の座談会企画の各回の具体的な内容は、今後掲載していくブログ記事をご覧ください。


[1] 2020年度まで地球環境基金助成。参考:「『学びあいフォーラム』とは?」(2019年6月12日)

[2] この「学びあい」という言葉も同フォーラムでは多義的に捉えられていたり、使われていたりしてきました。例えば、同上「『学びあいフォーラム』とは?」をご参照ください。

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